JSBA YEARBOOK 2024
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気温上昇の予測降水量の予測降雪・積雪の予測21世紀末の年最深積雪(%)現在(左、1980~1999年平均)を100%としたときの、 21世紀末(2076~2095年平均)における年最深積雪量。真中が2°C上昇シナリオ、右が4°C上昇シナリオによる予測。出典:文部科学省及び気象庁「日本の気候変動2020」●北海道内陸部の一部地域を除き、地球温暖化に伴い、降雪・積雪は減少すると予測される(雪ではなく雨になることが増える)。●平均的な降雪量が減少したとしても、ごくまれに降る大雪のリスクが低下するとは限らない(ただし、この予測の確信度は低い)パリ協定では、温室効果ガス排出削減(緩和)の長期目標として、気温上昇を2℃より十分下方に抑える(2℃目標)とともに1.5℃に抑える努力を継続すること、そのために今世紀後半に人為的な温室効果ガス排出量を実質ゼロ(排出量と吸収量を均衡させること)とすることが盛り込まれました。一方、その目標を達成したとしても、気候変動による影響は避けられません。参考:環境省 環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書気温現在までに観測されている変化●日本国内の都市化の影響が比較的小さい15地点で観測された年平均気温は、1898~2019年の間に、100年当たり1.24°Cの割合で上昇している。●1910~2019年の間に、真夏日、猛暑日及び熱帯夜の日数は増加し、冬日の日数は減少した。特に猛暑日の日数は、1990年代半ばを境に大きく増加している。●いずれのシナリオにおいても21世紀末の日本の平均気温は上昇し、多くの地域で猛暑日や熱帯夜の日数が増加、冬日の日数が減少すると予測される。●昇温の度合いは、2°C上昇シナリオより4°C上昇シナリオの方が大きい。●同じシナリオでは、緯度が高いほど、また、夏よりも冬の方が、昇温の度合いは大きい。降水現在までに観測されている変化●大雨及び短時間強雨の発生頻度は有意に増加し、雨の降る日数は有意に減少している。●一方、年間又は季節ごとの降水量(合計量)には統計的に有意な長期変化傾向は見られない。●初夏(6月)の梅雨前線に伴う降水帯は強まり、現在よりも南に位置すると予測される。なお7月については、予測の不確実性が高い。降雪現在までに観測されている変化●年最深積雪(一冬で最も多く雪が積もった量)に減少傾向が見られる。●1日の降雪量が20 cm以上となった日の年間日数に減少傾向が見られる。JSBA YEARBOOK 20240992℃/4℃の上昇シナリオにより、予測される21世紀末の日本の状況

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