WSFの新規事業『LEGENDS WORLD TOUR(レジェンズ・ワールド・ツアー)LWT』がスタートしました!発起人は第1回『US OPEN』女子の部門に出場している伝説的なエリートライダー、ローリー・アスペラスとボブ・クライン。ローリーは80年代当時から波乗り、スケートボーダー。当時スケート女子は希少な時代。スノーボードを始めたきっかけも神話的。それはヴァーモント州ロンドンダリーの納屋でジェイク・バートン故人が親戚と『BURTON BOARDS』の商品名で手作りしていた頃。馴染みのバーで顔見知りのジェイクが「最近、SNURFER(スナーファー)の進化板を造ってるんだよ。興味あったら週末の競技会に出ない? ボード貸すからさ(笑)」という運命のいたずらでした。『US OPEN』の種目はダウンヒルとスラローム記録を総合で競っていた時代。彼女以外にマリアナ・フルマン。マーク・ハインガードナー。リッキー・フルマン。アンディ・コグラン。クリス・キャロルが『BURTON』の拠点であった、ストラットンスキー場を中心にチーム構成。唯一、西海岸カリフォルニア州からライダーとなったのが、もう一人の発起人ボブ・クラインです。彼はバートン契約後にアンディ・コグランを誘い、フランス人レジェンドのレジス・ローランが興した『APOCALYPSE』の北米進出で起業します。その後アスリートエージェントに転身。大手スポーツエージェント会社オクタゴンに所属。パイプライダーでダニー・キャス、クロスライダーのセス・ウェスコットをスカウト。五輪メダリストにまで育て上げます。レジェンドでなくLEGEND(S)という複数形なのは、この2人の発起を意味します。もう一つの意味は昔、一緒に熾烈な戦いをした戦友を再びスノーボードさせる事。そして歴史を現在のスノーボーダーたちに伝承し後世に託す事です。スノーボードが未知のスポーツだった時代を経て、冬季五輪長野大会でスキーの新種目として採用された事を体現した先人たち。彼女、彼らは誰もがスノーボードは面白そうであったり、スキーに飽きて新しい冬の遊びを模索していたのです。当時の競技会は賞金があっても数万円程度。ほとんどが物品協賛。それでも全米各地や欧州、オーストラリア、ニュージーランド。そして日本から参加したのは、そこに興奮できる小さなシーンが形成されていた証。そして先見の明があったのです。『LWT』の形式は競技会。「友達たちと一緒にスノーボードする楽しさを思い起こす」その為の理由付け。東海岸で始まった『US OPEN』がロッキー山脈に移転した後も、草レースとしてストラットンスキー場で開催されていた『WASHED UP CUP』からの流れを汲む『Mystery Poach』で1戦。その後フリースタイル発祥の地として知られる西海岸のレイク・タホ。ダナースキー牧場で2戦目。ここは故人となったトム・シムズが第1回スノーボード世界選手権を開催したソダスプリングスからほど近く。フリースタイルの創始者テリー・キッドウェル。『SWATCH BOARDER CROSS』年間チャンピオンのショーン・パルマー。ダミアン・サンダース、トム・バート、ティナ・バシッチと弟マイク。クリス・ローチ、タッカー・フランセンにデイヴ・シオーネたちのホームゲレンデでした。西海岸で最初にボーダーを受け入れたスキー場であり。手彫りでパイプを造設した歴史的にも重要なフリースタイラーの聖地です。最終戦はヨーロッパのオーストリア、フリーライドで知られるシュトゥーベン。この地で25年に渡り『LONG BOARD CLASSIC(LBC)』が行われる。1戦目はレース、2戦目『Legends of Tahoe』はGSとパイプの2種目、3戦目で最終戦はなんと500人がクラスごとに別かれ、ル・マン方式(スタート地点にボードを置いて、100メートル手前からツボ足でダッシュ!)のチャイニーズダウンヒル。記念すべき第1回の世界ツアーチャンピオンの座に輝いたのは発起人ローリー本人でした(驚)。第2位はオリジナルBARFOOTライダーでISF(国際スノーボード連盟)時代にジャッジを歴任したキース・キメル。3位で同順位の中にはビッグマウンテンライダーとしてあのトラビス・ライスが最も尊敬するトム・バートの名前も!JSBAは82年に組織。ジェイク・バートンがダグ・ブートンを連れ来日。秋田県の協和スキー場で『第1回JSBA全日本スノーボード選手権大会』が開催。この時代はスノーボード滑走に理解のあるゲレンデが稀でした。何故なら当時はスキーが唯一、冬のレジャーだったからです。この大会に出場した選手たちの中には『US OPEN』に日本から出場した方もいます。現在も地区協会に携わり地元でスポーツ少年団を組織しています。何年も雪山から遠ざかった方も多いと思います。昔の道具を物置から掘り起こしてもいい。最新の道具を子供たちから借りても十分です。雪上で旧友との再会を目的とした同窓会。新しい友達との出会いもあるかも知れません。年齢を重ねても無理をしない範囲のチャレンジ精神は失わないようにしたいですよね。スノーボードの現在と未来は『LEGENDS WORLD TOUR(レジェンズ・ワールド・ツアー)』でこそ再確認できます。そんな春先のお楽しみです。上.LONG BOARD CLASSICの略『LBC』製造年代ごとのクラス分け。80年代から90年代の『Old School Men』部門は完璧なコスプレ 下.『NO School』ル・マン式でスタート位置のボードを取りダッシュ 1.LWT公式ページ表紙『ABSOLUTELY RADICAL』85年サンフランシスコのトーマス・シェ・Jrが出版した専門誌。自然のクオーターパイプでリーンエアをするキース・キメル。ツアー総合2位 2.世界中からボーダーが集い。スノボ愛に満ちた25周年記念 3.南レイク・タホ『AVALANCHE』(左)ジム・ゼラーズ(中)ダミアン・サンダース(右)トム・バート 4.ゴール地点テント村。フランス『HOT』が展示。最新デモボードは『DUPRAZ』 5.イタリア『Prato Nevoso』スノーボード博物館に常設展示『MOSS』 6.LBCに世界中から招待された生きる伝説たち(左)ショーン・ファーマー(中)マイク・バシッチ(右)ポブ・クラインwww.longboardclassic.comclassifi cationLBC Masters WomenLBC Masters MenNO School WomenNO School MenOld School WomenOld School MenLegends World Tour 2024RESULT OVERALL1st Place 280 points• Laurie Asperas(USA) 2nd Place 230 points• Keith Kimmel(USA)3rd Place tie 100 points• Solomon Arthur(USA)• Tom Burt(USA)• Scott Downey(USA)• Ruthie Goepel(CAN)• Steve Hayes(USA)• Amy Herman(USA)• Chriss Molello(USA)004JSBA YEARBOOK 2024123456
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